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2003年8月に作成された記事

アブラゼミの羽化

8月10日の夜8時頃、火星を見に外を歩いていたら、足元を虫がヨロヨロと歩いているのに気づきました。
ふんづけそうになったのを避け「あれっ?これってセミの幼虫?」と慌てて引き返しました。土から出てきたセミの幼虫を見るのはこれが初めてでした。

どこから来たのかわかりませんが、そこは石が敷き詰められた歩道、向こうは芝生の広場。立て替えられたマンションの敷地内なので、昔はすぐそばに木があったのでしょうが、出てきたら何もなくて、ウロウロと迷っていたのかもしれません。
そのまま見ていましたが、ブロック石をよじ登ろうとしてひっくり返り、もがいていたので、近くの木の根元まで運んでやりました。

すると、木の幹を50cmほど登り、その場に止まるとさかんに足を動かしたり、体を左右に動かしたりし始めました。ここでいいかな、と場所決めをしているようです。これが5分程。
しばらくすると今度はまったく動かなくなりました。
10分ほどして見てみると、茶色い体のうち背中だけ白っぽくなっている様子。羽化の始まりです。
じっと見続けていても、殆ど動きがないように見えるのですが、徐々に背中の白い部分が開いて、白い体が出てきました。
静かに静かに、羽化が進んでいきます。

上半身が殆ど出ると、今度は仰向けにのけぞります。
足を少し動かしては止まり、また動かしては止まり。
これで力尽きてしまうのではないかと心配になりました。あるいは、そのまま下に落ちてしまうのでは、と。
しかし、突然また動きが活発になり、仰向けの体を起こして体を完全に出し、足で抜け殻をつかんで背中をこちらへ向け、そろそろと、木の幹に横移動しました。

見ると小指の先ほどの小さな緑色の羽根。これで飛べるとはとても思えません。
しかし、不思議なことに、じわじわと羽が大きくなりはじめ、羽の模様も見えるようになってきました。
柔らかい羽のため、強風が吹くと、羽があおられて落ちてしまいそうです。この羽も、時間がたつと共に、背中に沿うように角度がつき、しっかりと硬いものになっていきました。
それと共に、全体が茶色を帯びてきました。アブラゼミです。

この間、約2時間。見ていてハラハラしましたが、弱々しかった命が力に満ちていくのを目の当たりにして、不思議な感動を覚えました。

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別れの一つの形

9年間、闘病を続けていた叔父が、8月4日に亡くなりました。
お通夜・告別式は行わず「お別れの会」が開かれたましたが、私にとって仏教以外のセレモニーは初めての経験でした。

近親者だけ40名ほどが、結婚式場のホールのような会場に集まりますと、そこには沢山の花でできた祭壇がありました。
白やブルーの花がベースで、菊などは一本もなく、カサブランカなどの洋花。
花の中の遺影の背景は真っ青な海で、後ろから光を当てられて明るく綺麗でした。

出席者はテーブルで軽食をとりながら故人を偲びます。叔父が好きだったというダージリンティーも特別に出されました。
格式ばった挨拶はなく、エレクトーンの生演奏が静かに続きます。
その中、全員で順番に祭壇の前のロウソクに火をともしていきます。
また、1人に一枚ずつメッセージカードが配られ、故人へ捧げる最後の言葉を書きました。このカードはバラの花と共に、1人ずつ棺の中に入れました。
最後に、祭壇の花も皆で棺に納めました。

仏教式だと、お坊さんがお経を読み参列者はお焼香をするだけという受動的で体にも負担がかかるお葬式になるのが常ですが、
こういう会ですと、出席者が主体で、一人一人がゆっくりと故人を偲ぶことができ、静かで明るく感動的なセレモニーとなりました。
こんな別れの形もあるんだなぁ、と大変参考になりました。
お葬式で「素晴らしかった!良かった!」と思えた初めての経験でした。

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